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母性看護領域における教育実践
沐浴技術演習にDXをとりいれた授業実践
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目次
- #技術演習
- #DX化
- #オーセンティック評価
- #自己学習
- 2024/02/14 掲載

はじめに
進化したデジタル技術が看護教育の中で活用されることによって、より効率的・効果的な授業実践が実施できるようになった。IT(Information Technology) による教育ツールやDX化(Digital Transformation) によって、看護教育方法や授業デザインの推進が叫ばれる中、看護教育にITシステムやデジタル機器を活用することは、看護教育にどのような効果があるのだろうか。それらは、本当に、看護教育に変革をもたらすのであろうか?
伝統的に行われてきた沐浴技術演習
沐浴技術は、母性看護領域の看護技術の中でも代表的な演習項目の一つである。出生数が多かった時代、当時は母児異室制でたくさんのベビーが新生児室にいて、豊富に沐浴が体験できた。少子化、産科入院期間の短縮、母児同室、ドライテクニックの普及などにより、今や沐浴は、実習で体験できるチャンスに恵まれる学生は決して多くはない。 しかし、母性看護実習での実習体験において、沐浴の実施は、分娩立ち会い経験と並んで看護学生の実習希望の上位にあり、体験できた学生の実習満足度は高い。沐浴の体験は、看護学生にとって多くの学びをもたらす実習項目なのである。産科の状況が変化した今でも、沐浴技術を演習授業のプログラムから外している看護教育機関は少ないのではないかと思われる。
本稿では、看護教育におけるDX化の試みとして沐浴技術演習を取り上げ、筆者の演習授業をもとに、その教育効果について考えてみたい。
DX化による教育効果
ここで紹介する授業実践では、沐浴演習の事前学習から事後評価に至る一連のプロセスに、ITシステムやDX機器を活用した。今回の授業実践から言えるDX化のメリットは以下の通りである。
- より主体的な技術習得プロセスが可能
- 教員の関わりを必要とする部分と、自己学習による習得部分が明確になり、効率的な教授・学習過程が可能
- 看護技術習得の達成度を、これまでの自己評価に比べて、より真性な評価(オーセンティック評価)に近づけることができる。
これらのメリットは、Active Learningに必要な要素そのものである。
以下の各項では、映像教材を搭載した学習管理システム(LMS: Leaning Manegement System)とウェアラブルカメラを装着して撮影した沐浴実施映像を活用した沐浴技術演習の授業実践を紹介し、その意義や効果について、具体的に解説する。
【用語解説】
実践教育の場において、現実に近い状況で設定された課題に取り組む経験を求められる学習場面は多い。その経験の中で学習者は、新しいスキルや知識を活用しながらそのプロセスと成果の質を解釈していく。
学習者は、知識や技能を用いながら必然的に自己評価を行う。その評価をより真性な評価に近づけることで、学習者が『学ぶ必然性』を感じる可能性を高め、より効果的・創造的なパフォーマンスをなし遂げることとなり、質の高い学習が生起するといわれる。
学習課題そのものが評価の課題でもあることから、オーセンティック評価(真性評価)は教育評価活動であると同時に、より真実に近い学習の実現を通して指導と評価の一体化を図り、質の高い学習活動につながる教育実践として位置づけることができる。